学系の特長
地域や市町村の将来を担えるまちづくりの専門家の育成
「高い防災力と、地域の魅力を兼ね備えたまち」を大きなテーマに、「防災?減災まちづくり」、「都市デザイン」、「公共空間デザイン」、「土木構造と維持管理」、「河川環境」、「交通まちづくり」といった、まちづくりにおいて重要な技術について学びます。
アクティブラーニングや少人数制により、計画?設計に必要なデザイン力と、まちを支える社会基盤整備に必要な技術を身につけ、地域や市町村のまちづくりを担える、公務員や設計者、技術者を育成します。
カリキュラムの特長
1年次には、専門分野への導入として、優れた事例を通してまちづくりの魅力や課題を理解すると同時に、パースや模型といったデザイン表現の基礎技術、構造力学や設計製図、測量学など計画?設計の基礎技術を身につけます。
2年次では、都市計画やまちづくり計画、景観デザインやランドスケープなどの空間デザイン技術と、構造力学や土質力学、水理学といった計画?設計技術により、まちづくりに関わる専門分野の基礎知識や技術を身につけます。
3~4年次では、2年次までの学びを発展させ、これからのまちづくりに必要不可欠の「防災」、「デザイン」、「維持管理」に関する専門的な知識や技術を身につけるとともに、「公共空間デザイン演習」や「まちづくりフィールド演習」など実際の空間を対象とする演習科目群を通じて、実践的な力を養います。
また全学年を通じて、アクティブラーニングを取り入れた講義や演習により、創造力や思考力、コミュニケーション技術やプレゼンテーション技術が自然と身につくように工夫しています。
講義の内容
ここでは、まちづくり学系で開講しているいくつかの講義を簡単に紹介します。
まちづくり概論(1年次)
まちづくり事例を題材にしたグループワークや、実際のまちあるきなどを通じて、まちづくりの魅力や目的について学びます。
景観デザインの基礎A /B(1年次)
空間デザインの表現に欠かせない立体パースや、模型作成の方法について、演習を通じて学びます。
防災まちづくり(2年次)
地盤災害の防止方法や洪水?津波?液状化の災害ハザードマップ、地域防災の仕組みなどについて学びます。
まちづくりの計画と考え方A /B(2年次)
まちづくりの調査?計画に必要なデザインサーベイやアクティビティ?リサーチ、ヒアリングやアンケートなどの技術、またまちづくりのデザインの考え方や、利活用などマネジメントに必要な基本的な知識と技術を、演習を通じて学びます。
まちづくりの交通計画(2年次)
歩いて暮らせるまち、高齢者に優しい公共交通など、これからのまちづくりに必要な交通のあり方と交通量推計手法などについて学びます。
まちづくりの実際(2年次)
まちづくり先進都市である世田谷区のまちづくり事例を対象に、完成した空間を視察するとともに、構想?計画から設計?施工に至る流れや進め方を学びます。
公共空間デザイン演習(3年次)
実際の場所を対象として、まちづくりの観点から空間の構想?計画を行い、デザイン提案としてまとめることで、空間デザインに必要な技術と発想力を学びます。
維持管理工学(3年次)
インフラメンテナンスの重要性を理解し、その基本的な考え方と、主に橋梁の維持管理に必要な、点検や構造力学、補修補強などに関する基本的知識を学びます。
ゼミナールA /B(3年次)
本学系では、3年生から研究室に所属し、より専門的な知識や技術を身につける活動に取り組みます。研究室によって内容は様々ですが、コンペ(設計競技)への応募や社会実験の実施、整備事例や施工現場の視察を実施します。
卒業研究(4年次)
これまでの学びの集大成として、まちづくり分野の社会的課題と学術的課題に基づくテーマを設定し、客観的なオリジナルデータに対する分析や論理的な考察を通じて、まちづくり分野における新しい知見を提示することに取り組みます。
教育と研究の特長
多彩な演習科目群で、自ら考え、デザインする力を鍛える
まちを調査するフィールド演習、具体的な場所のデザイン設計演習、まちづくり先進都市である世田谷区の事例研究など、自ら考え手を動かすことで、まちづくりの実践力を身に付けます。
- 設計演習での作品例
(対象地:小田急線H駅駅前広場) - 公共空間デザイン演習でのプレゼンテーション(対象地:東京都狛江市)
- まちづくりフィールド演習(新潟県南魚沼市)でのヒアリンングの様子
- 4年間の集大成となる卒業研究最終審査会
まちづくりの実践的な知識や技術を身に付ける
講義や演習、研究室での研究活動や実践活動を通して、防災?減災技術による安全安心のまちづくり、公共空間デザインによる都市再生、道路空間再編による賑わい創出、インフラの維持管理技術など、まちづくりの実践的な知識や技術を身につけます。
- 駅前広場での社会実験(下北沢駅)
- デザイン事例の視察と実測(源兵衛川)
- 石積みの解析と補強技術の開発(熊本城)
- GISを利用した橋梁点検データベースの作成(世田谷区)
力学系科目は講義+演習方式で身に付ける
実際の社会基盤施設の計画?設計においても、公務員試験を始めとする就職試験においても重要となる構造系の科目では、講義と演習を組み合わせ、より多くの問題を解くことで必要な設計能力を身に付けます。
設計コンペティションへの積極的な参加
学んだことを発揮する機会として、「土木デザイン設計競技 景観開花。(主催:東北大学)」や「まちづくり?都市デザイン競技(主催:公財)都市づくりパブリックデザインセンター」」などの設計コンペに積極的に応募しています。2018年度の「土木デザイン設計競技 景観開花。」にて最優秀賞を受賞するなど、多数の受賞歴を誇ります。
- 景観開花。2018最優秀賞「水龍の背に乗る」応募パネル
- 応募メンバーによる受賞記念写真
少人数制による教育体制
1学年の人数を40名程度として、初年度からディスカッションやプレゼンテーションなどアクティブラーニングによる講義や演習を実施しています。また、通常の大学よりも1年早く、3年生から研究室に所属することで、より専門的で実践的な学びに取り組めると同時に、就職後も付き合いが続くネットワークをつくっています。
- コンクリートアーチ橋建設現場の視察
- 研究室のゼミ旅行
- ゼミでの議論風景
- コンペでの作業風景
3000名を超すOB?OGのネットワーク『楓門土木会』
1967年に一期生を輩出してから50年近く、3000人を超えるOB?OGが全国の自治体や企業で活躍しています。そのネットワークを活かした『楓門土木会』では、学系独自の就職説明会やOB?OGの講演会、卒業研究における優秀論文賞の副賞などの支援を実施しています。
- 就職説明会「国士舘まちづくり学系学生のための行政?企業合同松下村塾」のチラシ
- 企業による会社説明
- ブースに分かれての企業面談