理事長挨拶Chairman’s Greeting
大会の成功に向けて
国士舘のレガシー
~東京2020大会を終えて~
2021年、約半世紀ぶりに東京で開かれた世紀の祭典「東京2020オリンピック?パラリンピック競技大会」(東京2020大会)は、日本に過去最多のメダルをもたらし、その幕を閉じました。球棎足球比分_足球即时比分-体育*直播感染症の拡大で、1年延期、無観客となるなど、開催が難航したことは周知のとおりですが、各会場での選手たちのハイレベルな戦いは、各媒体を通じて世界へと発信され、大きな感動と興奮を呼び起こしました。同時に、厳しい環境下での開催国?日本への称賛と、「おもてなし」に徹する日本のボランティア精神に対し、世界から惜しみない賛辞が寄せられるなど日本人のホスピタリティと規律性?安全性の高さが世界に示されました。
本学からは在学生、卒業生合わせて7選手が出場し、野球では卒業生1人が金メダル獲得に貢献しました。パラリンピックでは、水泳で本学としては初となるパラリンピアンを輩出しました。大舞台に挑む彼らの佇まいから、これまで準備してきたことを信じて向かう「覚悟」のようなものを感じました。
また、大会に先立ち本学は、開催期間中を「特別課題研究期間」とするなどの措置をいち早く決定し、多くの学生?教職員をボランティアや競技スタッフ、医療サポーターとして送り出しました。それぞれの場所で、さまざまな役割を担い大会を支えた経験は、キャンパスだけでは得られない貴重な体験?知見となり、生涯の宝となったことでしょう。
大会終了後には、大会組織委員会の橋本聖子会長、河野一郎副会長をはじめとする関係の方々が本学を訪問くださり、本学の各方面での支援に対する丁重な謝辞をいただき、感謝状受賞の栄に浴しました。本学園の教育の一つの成果をここにみることができ、真摯に取り組んだ学生?教職員を大変誇らしく思い、胸がいっぱいになりました。
自治体や周辺大学との連携による成果もありました。多摩市や市内大学との連携協定締結を皮切りに、それらに基づく大会機運の醸成に向けた各種の催しを実施したほか、本学の教育資源?人的資源を活用した市民講座の開講、多摩市を事前キャンプ地とするアイスランドチームへの本学施設の提供、自転車ロードレースのコースに面する各大学が協力して安全な競技運営をサポートするなど、多様な取り組みによって地域連携?社会貢献の一層の推進にもつながりました。
今大会の開催理念に「自己ベスト」「多様性と調和」「未来への継承」の3つが掲げられました。全選手が自己ベストを更新できる安心安全な大会運営と、互いを認め合う共生社会への理解促進によって得られた有形?無形の成果をレガシー(遺産)として未来に継承しようというものです。
1964年の東京オリンピックで、本学に入職して間もない私は、学生たちを各会場に派遣するなどの支援活動に従事しました。本学の教職員、学生が競技役員や補助役員として大会を支えた当時のことが、感動と達成感の記憶とともに思い出されます。幾星霜を経て、東京2020大会で再び、わが国士舘の貢献に携わることができたことは、まさに「レガシーの継承」といえるでしょう。
東京2020大会の本学オリンピアン、パラリンピアンの皆さん、ボランティア等に参加?派遣された学生?教職員、そして、彼らを送り出すための各種支援業務にあたった教職員、それぞれが「国士舘のレガシー」として、より良い未来へとつなげていかれるよう切に願っています。
最後になりましたが、本大会の開催決定から9年にわたり、本学における大会支援の取り組みに尽くされたすべての学生、教職員、関係機関の皆様に対しまして、厚く御礼申し上げます。
2022(令和4)年2月14日