1月26日、長崎国際大学、江戸川大学、国士舘大学の3校が主催し、駐日イラク大使館および国際協力機構(JICA)が後援する「日本?イラク合同文化遺産研究シンポジウム」が東京?上野の国立科学博物館で開催されました。この催しは令和6年度科学研究費助成事業「挑戦的研究(開拓)」に採択の「人類初の統一国家古代メソポタミア?アッカド王朝の首都アガデの日本?イラク合同調査」に基づくもの。研究代表は長崎国際大?川上直彦准教授で、本学長谷川均名誉教授らが研究分担者として当研究に取り組んでいます。
開会にあたり長谷川名誉教授が「イラク?日本両国の新しい共同研究のキックオフともなる本日、研究協力関係を一層強固にしたい」と開催趣旨を述べ、当分野における更なる成果への期待を表しました。
シンポジウムは、イラク考古遺産庁のアリ?オベイド?シャルガム長官による特別講演で始まり、その後、本学から3人の研究者がそれぞれ登壇。21世紀アジア学部教授で同学部附属イラク古代文化研究所の小口和美所長が「イラク本土におけるイラク古代文化研究所のこれまでの文化遺産国際貢献の歩みとシュメール初期王朝時代の大遺跡キシュの考古学調査への展望」と題して基調講演しました。
小口教授は、本学が発掘権を保有するキシュ遺跡での発掘調査と文化財保護に関する当地での人材育成など同研究所設立から50年を超える活動?成果と今後の展望を述べました。
また、考古学部門でのセッションでは、長谷川名誉教授が「全地球的航法システム(GNSS)と地理情報システム(GIS)を活用したテル?シンカーにおける考古学的地表面調査」について、グリーン航業株式会社専務取締役(本学文学部卒)でイラク古代文化研究所特別研究員の後藤智哉氏が「時系列地理情報データの活用によるテル?シンカーの景観復元:1950年代のアメリカU2スパイ空中写真と惑星データ及びAW3D高精細版地形データの利用」について、博物館?国際協力部門では松本健名誉教授が「ヨルダン王国ギリシャ?ローマ遺跡ウムカイスにおける国際協力機構(JICA)のイラク人文化遺産部門職員対象の文化遺産国際協力研修プログラムとその成果」について、それぞれ報告しました。
会場には若手研究者や一般来場者らが訪れ、熱心に聴講していました。